2001/08/08
癌の話
癌と聞くだけでちょっと怖いですね。私も癌は怖いです。癌は発見が遅れれば死にますし、発見が早くても死ぬことがありますし、治った後も定期的に検査しないといつ転移していたり再発したりするかわかりません。本当に恐ろしい病気です。
日本人の死亡原因の一位は20年前から変わらず、もちろん癌です。死亡者の実に30%が癌で、年間死亡者数は約28万人です。人口比に直すとだいたい440人に1人ががんで死んでいる計算になります。ついでにがんセンターのデータベースを調べてみましたが、最終生存率のグラフは存在せず、あるのは五年生存した患者数のデータだけでした。これだけでも恐ろしさがわかると思います。癌というのは喫煙などの外的要因も確かにありますが、現在では遺伝による影響が最も大きく、感染はしないというのが定説になっています。そして、それは恐らく正しいでしょう。ただし、医学界では絶滅寸前とは言えウィルスによる感染説も未だにまことしやかに流れていたりします。なにせ国立がんセンターの総長が初代から全員癌になっています(嘘のようだが本当)から、疑いたくもなります。最近では癌のことを考えていると癌になるということからストレスによる免疫力低下説なんてのも出てきているようで面白いですね。
癌の語源を調べてみると、これがよくわかりません。最も有力な説は岩が変化したものというもので、実際に江戸時代の医学書では乳がんを「乳岩」と表記している例が存在しています。乳がんというのは癌の中でも特に固いしこりができる癌で、たしかに岩のように固いものですから、わからなくはありません。現在の癌という漢字もこの説を取り入れており、癌のやまいだれの中の「品の下に山」という漢字は岩を表す漢字です。余談ですが国立がんセンターのマークはこの「品の下に山」をデフォルメしたものなのですが、もともとの意味を知って使っているのかは疑問です。一方、蟹変化説というのも根強く、癌によって腫れたリンパ節を足に見たてるとちょうど蟹のような格好をしていることから、かにががにに、がにががんになったという説です。これは実は英語で癌を表すキャンサーという単語と同じ発想です。


 

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