2002/12/11
RISCは敗北したかの話1
HP社がALPHAチップセットを廃止しPA−RISCも取りやめることになりました。今後はx86系にシフトするようです。これをもってPC分野においてRISCと呼ばれるチップセット群はCISCチップセット群に対して事実上の敗北宣言をしたと考えてよいでしょう。
RISC・・・私も一度使ってみたい時期があったほど魅惑的な光を放っていた思想。いつかCISCを駆逐すると言われていたそれが、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。そもそもRISCとはCISCの持つ問題点に対するアンチテーゼとして提唱されたものです。CISCというのはその意味(Complex Instruction Set Computer)のとおり、複雑な処理を実行できるように多数の機能を備えたチップセット(厳密にはチップセットを指すものではないが、今回は便宜上そうする)です。当時、自然言語と呼ばれるプログラミング言語(コンピュータよりも人に近い文法で処理できる言語。例えばBASIC)が流行っていた時期だったため、それらの自然言語を処理するためにはどうしても自然言語に近い機能を持つ必要があり、どうしてもチップセットは肥大し、CISC化せざるを得なかったのです。なぜなら、プログラミング言語で記述されたコードをそのまま翻訳できなければ実行速度を向上させることができないですし、プログラミングとCPUとの間にギャップが生じれば、そのギャップはコンパイラなどによって吸収しなければならなくなるため、限界が発生すると考えられたからです。しかし、このように多機能化すればするほどCPUの内部処理は複雑になるためパケット衝突のような現象が発生したり、命令系によって実行速度がまちまちになるため、どこかで同期を取る必要が出てきたりと、以前にシリアルの話で書いたパラレルの問題のような現象が起こってきたのです。そこで誕生したのがRISC(Reduced Instration Set Computer)なのです。
続きます。


 

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