2002/12/10
電撃解任の話
NECが関本元会長、現相談役を電撃解任しました。
関本元会長と言えばNECのパソコンが「国産標準機」だった時代に社長だった人です。色々と失敗もありましたが、今日のNECが存在するのは関本元会長のおかげと言っても良いでしょう。もっとも、近年は経営判断を誤ることが多く、特に防衛庁水増し事件でミソをつけて退陣したのは記憶に新しいところです。まあ、水増し事件で退陣したような人物がいまだに相談役に居たというのも少しはおかしな話ではありますが、もっとおかしいのは彼を解任した理由です。彼を解任した理由は「現経営陣を批判する対外的な言動が当社の業務執行に好ましくない影響を与えた」というものなのですが、これはどうでしょう。会社が会社として存続するためには、たとえそれがいかなる人物であろうと、経営陣を批判する人物は必要不可欠ではないでしょうか。経営陣を批判する者を解任すれば、会社自体はぬるま湯となって、気づけば周りはイエスマンばかりとなり、経営陣が判断ミスしても右にならえで業績は悪化するのではないでしょうか。今回の解任では全会一致だそうで、つまり現在のNECにはイエスマンしか居ないということを対外的に知らしめることになりました。そう考えてみると、なるほど、近年のNECの戦略を見てみると、あっちをうろうろ、こっちをうろうろするだけで、特にヒット商品を生み出したということもありませんし、業績が悪化する一方なわけです。
そういえば昔、さる社長の秘書を務めてマサチューセッツ工科大学に留学した女性の自伝を読んだ(だったか、公演を聞いただったか)ことがあるのですが、その社長は重役が社長と意見が対立することを理由に辞表を提出したところ、その場で破り捨てて、「私の意見と対立するから、あなたに重役としての価値があるんでしょう?」と言ったそうです。つまり自分の意見に対する反論が、自分の判断を誤らせないために必要であるという考え方ですね。ちなみにその社長というのは故盛田昭夫氏。そう、その会社とはソニーです。


 

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