2002/09/23
完全匿名性の話2
続きです。
例えばKTBBSというシステムを使用している、Hというネットがありました。KTBBSは、当時は有名だったフリーかつソース公開のBBSシステムです。これは設定によってですが面白い機能があり、ゲスト(つまり名無し)レベルでBBSを閲覧すると、発言者が誰だか見られないということが出来たのです。さて、そのような掲示板に会員(つまりコテハン)が書きこみをすると、そこはゲストでの書きこみも可能でしたから、その会員の名前を騙ったゲストによる書きこみが大量発生します。もちろん、会員には、それがゲストによる書き込みであることは明白なのですが、ゲストにとっては、誰が書いたものなのか判らないのです。そのため、管理者を騙る人まで登場し、掲示板はぐちゃぐちゃに荒れた挙句、閉鎖することになりました。別の例ですが、絵理香という有料のシステムを利用しているネット某(絵理香は数が少ないので頭文字だけでもどこだか特定されるため某とする)がありました。そこはゲストしか書きこめず、ゲストしか読めないというボードを用意していました。初めは面白がって利用されていたのですが、やはり騙りが横行して、気づくと誰も書かない閑古鳥ボードになっていました。このような現象が起こる理由は、選択肢を狭められたことによる閉鎖感によるものと思われます。つまり、ゲストも読み書きできる、会員も読み書きできるというシステムでは、ユーザはゲストあるいは会員という、複数の選択肢を保有することが出来ます。しかし、ゲストしか書けないシステムでは、ユーザはゲストという選択肢しか選べません。このことが、利用者の範囲を狭めたのです。選択肢が広ければ広いほど、利用者は増えます。敢えて利用者を減らすような方策を取ることは、人の流出を招くだけであり、結果として利用者数の減少から、閑古鳥化という道を進むことになります(私の経験則だが、発言数は参加人数の二乗以上に比例して増える)。
続きます。


 

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