2002/07/09
その後のあみだくじの話4
続きです。
そして、横棒無しの棒が多いほど、その数は減少していました。例えば縦棒5本、横棒10本の場合、3本の棒が横棒無しになる組み合わせは各1つずつしかありません(4本の棒が横棒無しになることはありえない)が2本の棒となると各1022通り、1本だけの場合は、各55980通りに上ります。このうち、大きく影響を与えそうな55980通りだけを検証しましょう。まず、一番左、あるいは一番右の縦棒に横棒が無かった場合。これは縦棒が4本のときのあみだくじと変わりません。話をわかり易くするため、一番右の縦棒に横棒が無かった場合、組み合わせを求めると、左から13573通り、14270通り、15255通り、15951通りとなります。中央が一番多いわけではありませんが、それほど大きな数字とも思えません。一方、左から2番目あるいは4番目の縦棒に横棒が無かった場合は、縦棒が3本のときのあみだくじと同じで、また中央は、その端の列ということになります。この場合の組み合わせは341、340、341となり、これまた、大きな差にはならないのです。つまり、どこが抜けようと、大きな差は出ないということになってしまいました。しかし、現実に、横棒の無い縦棒が存在しているときと存在していないときとでは、結果に大きな差が生じているのです。一体どういうことでしょう。私もしばらく悩まされましたが「真中の線だけは不利を受けていない」ということに気づいたのです。左端の縦棒に横棒が存在しない場合、その棒が真中に辿りつくことはありませんし、左から2本目の縦棒に横棒が存在しない場合、左と左から2本目の棒が真中に辿りつくことはありません。左右は同条件ですから、この中で常に真中に辿りつく可能性を保有しているのは、真中の棒だけなのです。これが横線の無い縦線があるパターンを除去しなかったときの真中有利を生み出していたのです。
結局、私の考察の結果から導けるのは、「あみだくじにパスカル三角は適用されない」ということと、横棒の無い縦棒がないというあみだくじにおいては、真中有利は成り立たないということでした。
訂正:本文中の「横棒の存在しない縦棒の本数」は、正確には「縦棒と縦棒の間に横棒の存在しない空間」の数です。



 

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