2002/05/17
日本語ドメインの話2
続きです。
リアルワークス社の検索サービス停止に伴い、.JPドメインの管理を行っている日本レジストリサービスも今月末でこのサービスを停止することになりました。来月からは「姑息な手段」を用いてさえ、日本語ドメインにはアクセスできなくなることになったわけですが、相変わらず、いつから正式サービスがスタートするのかは不明です。そもそも私はこのサービスの実現性について疑問を持っています。何故ならインターネットそのものが、もともと非アスキー文字列に対応していない文化だということです。日本語ドメインに対する正式採用が決まったとしても、ブラウザやメーラという基本的なツールが日本語ドメインに対応しなければ日本語ドメインは使用できません。その場合にはDNSサーバが日本語を対応すれば切りぬけられることは切りぬけられますが、この場合、その仕組みから全てのDNSサーバが完全に日本語ドメインに対応しない限りは日本語ドメインが使用できません。そしてそのようなことは恐らく不可能です(1999年7月から正式運用が始まったはずのIPv6の普及状態を考えればわかるだろう。ウィンドウズ系で正式採用したのはXPからだ)。また、たとえそのようなことが奇跡的に起こったとしても日本語表示機能を持たないパソコンなどから、日本語名のリンク先を参照することはできません。本来は世界中からアクセスできるはずのインターネット上に、限定された特殊な環境でしかアクセスできない世界を作るというのはインターネットの価値そのものを問うなんて言わなくても単純に「アメリカ人がアクセスできない世界を構築する」ことを許すわけないんじゃないか、と。
私は日本語ドメインサービスが、「やっぱり駄目でした。残念」という終息を迎えるような気がしてなりません。その場合でも支払われた金が返ってくることはありません。そうなったら、慌ててローマ字名ドメインを確保しに走ることになるでしょう。つまり、ドメイン管理としては「やっぱやめた」のほうが儲かるわけですしね。


 

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