2002/05/15
ハンドルの著作権の話
某所で、作者名がハンドルに使用されたということでハンドルを変更するように要請するという騒ぎが起こりました。これは随分と前にも同じような問題が発生しており、G問題という形でテーブルトークで記述しましたが、今回はもう少し細かく、はたしてペンネームやハンドル、作者名は著作物かについて述べたいと思います。
結論から言うと、著作物とは認められません。何故なら、著作権法では著作物に関して「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義してありますが、ペンネームやハンドル、作者名などは「思想又は感情を創作的に表現したもの」とは認められないからです。面白いことに著作権法では題号(本などのタイトル)も著作物として認められません。これは著作権法の本来の目的が創作物の保護にあるためで、創作以外の付加価値を保護する目的ではないからです。それ以外の法律としては不正競争防止法、詐欺罪、と商標が考えられます。不正競争防止法は、類似するような商品名などを用いることで他者の成果を横取りすることを防ぐ法律で、これは名前に対しては適用されません。詐欺罪も相手のE-Mailアドレスを勝手に使うなどの方法で本人のふりでもしない限りは適用されないと考えて構わないでしょう。残るは商標です。これはかなりやっかいです。実際、某ゲームの登場人物名が商標として登録されたというケースもあります。ただし、商標として認められるには「商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務」という範囲が必要であり、その範囲を越えた場合は適用外となります。また、苗字だけや名前だけといったショートネームでの商標は登録が認められないことが多いようですが、フルネームにての商標登録は可能だと思われます(もちろんこれにも適用範囲があるため、例えば生まれてきた子供に商標で登録されている名前と同じ名前をつけたとしても商標違反に問われることは無い)。
てんてんなんてのは死ぬほど居るので、いまさら誰が最初なんて騒ぎにならず、楽ですね。


 

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