2002/02/28
ソルトレークオリンピックの話2
続きです。
もう少し正確に記しましょう。まず、オフィシャルパートナーになるためには2億円を払う必要があります(でないとJOCのマークを使用したり選手肖像権を使用することができない)。ただし、IOCに別途協賛金を払っていれば8000万円「だけ」で構わないというのだから恐れ入ります。そして、最も凄い話なのは自社の選手の肖像権のみを起用したい企業の場合でも2000万円の協賛金が必要だということです。なお、協賛金を支払わずにCMに起用する場合、1撮影につきメダリストは500万円、非メダリストは350万円が必要です。馬鹿な、と思うかも知れませんがこれは事実です。これは日本でのケースですが、放映権などオリンピック全体を見てもそこに巨額の金が絡んでいる以上、元を取ろうとするのは当たり前ですね。だから、活躍しなければならないし、勝敗にもこだわらなければならなくなっているのです。オリンピックがアマチュアの祭典といわれるのは、プロフェッショナル、つまり金が絡む、勝敗にこだわるということと切り離すために言われたことなのです。その根本を忘れ、選手の演技の内容ではなくメダルというおまけの獲得数にこだわるという歪んだプロ根性を持ちこんだ時点で今回のオリンピックが判定で揉めるのは当たり前です。逆説的ですが、オリンピックに出場するからには、メダルが取れなくても演技で人を魅了するだけの技術が必要なのは言うまでもありません。その結果が予選落ちであったとしても、です。だからこそ参加すること自体が名誉であり、意義があるという言い方もできます。現状のオリンピックのうち、日本人選手の何人にそれだけの技術があるというのでしょう。私にはそれがまったく感じられません。
まあ、日本の場合、国が育ててくれるわけではありませんから、金が絡まない選手はいませんし、せっかく育てた自社選手が、いかに活躍しても多額の金を払わなければCMにも起用できないとなれば、それでも育てようと考えるボランティア精神に溢れた企業が無いというのは当たり前だとは思いますが。


 

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