2002/01/11
ノーワックス果物の話1
最近は果物売り場に行くと、やや値段を高くした「安心のノーワックス国産果物」というものが売られていることがあります。輸入物の果物は出荷時にワックスをかけているから危険だけど国産の果物はワックスをかけていないから安全、ということのようです。安全性に気を遣うことは良いことです。しかし、本当にワックスがかかっていない果物は安全で、ワックスのかかっている果物は危険なのでしょうか。また何故ワックスをかけるのでしょうか。
果物が収穫されると、基本的には出荷前に泥やほこりを除去するため、水で洗います。このとき、果物が自然に分泌しているろう成分が多少落ちてしまいます。このろう成分を補うために、ワックスをかけるのです。このワックスをかける作業により、果物内部の水分の蒸発や鮮度を守るわけです。ノーワックスは安全、というくらいですから、このワックス成分はきっと有害物質に違いありません。実際には何が使われているのでしょう。調べてみると、カルナウバロウやミツロウが使われていることがわかりました。カルナウバロウというのは聞いたことがあります。たしかガムベースの原料になり、硬度が最も高いロウの一つだったはずです。ガムが有害物質なのでしょうか。さっそく検索をしてみると、これはカルナウバロウヤシの葉から採れるロウで主成分はセロチン酸ミリシルなどの脂肪酸やエステルのようです。そしてこの物質は「安全性」を謳った化粧品で使われる物質だということがわかりました。もし、あなたが女性なら、化粧品(特に口に入る口紅)の原料を見てください。たぶんこの物質が書かれていると思います。なるほど、「安全性」を謳っている口紅や化粧品に使われている物質が実は有害物質なんですね。いや、そんな馬鹿なことはないって?でもワックスは危険で、ノーワックスは安全なんですよ?まさか嘘をついているわけはないでしょう。しかし、いくら考えても私にはカルナウバロウが危険とは思えないのですけれど。
続きます。


 

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