2001/12/08
メール文書公開の話1
私はSPAMメールが届いた場合にはあて先などをマスクした状態で公開しています。このことに何らかの法律的な問題が存在するのではないかと常々思っており、これについて調べていくうちに色々と面白いことがわかりましたので、ここで挙げておきます。
問題は私信として送ったメールの内容を相手の許可無くして公開する、という点についてなのですが、著作権法はその適用範疇から除外されるようです。そのメールがよほど創作性に富んでいれば許可無くして公開した場合は公衆送信権の侵害に当たるとみなされる可能性が極めて高いのですが、基本的にメールに創作を効かせるなどという例はほとんど考えられないからです。では、他にメール内容の公開に関して何らかの法律的な根拠は存在しているのでしょうか。ありえるとすれば、プライバシー侵害があります。このへんについてもう少し細かく書きますが、私生活上の事実またはそのように受け取られる可能性のある事柄において、一般人の感受性を基準とした上で、公開されることによって不快や不安の念を覚えかつ、本人がその念を覚えるという条件があります(東京地判1995/4/14:判例時報1547-88)。よって、相手の許諾無しでメール内容を公開することで、相手が公開して欲しくないと思っていることを公開することになれば、プライバシーの侵害にあたる可能性があります。特に、相手がメールの公開や転載などを拒否していればプライバシー侵害にあたる可能性は極めて高くなります。しかし、メールに関しては手紙と同じように扱うには無理があり、暗号化されていない限りは絵葉書や会話と同じようなものであると考えられる可能性もあり、この場合は会話内容の秘密性は会話の相手に一任され、会話の一方が承諾することでその会話の秘密性が放棄されたとみなし、第三者がその内容を聞いたり、録音したりすることが可能、という刑事訴訟法解釈が存在しています。会話内容の秘密性という点で刑事訴訟法を解釈した場合においてはメールを受け取った側が、相手のメールを勝手に公開しても構わないということになるのです。
続きます。


 

Topへ