2001/08/16
虹色らーめんの話
今日はちょっと趣向を変えて論文調で書きます。
虹色らーめんという、週刊少年チャンピオン中でも異色を放つ漫画がある。今日はそれについて語りたいと思う。まず始めに、チャンピオンにはかつてチャンピオニズムというものが存在していたことを説明しなければならない。チャンピオニズムとはジャンプの「友情・努力・勝利」というキーワードに対するアンチテーゼであり、それは「悪運・根性・撃破」というものである。チャンピオンで料理漫画というと私が思い出すのは、もうタイトルすら思い出せないが料理学園もので、例えば最終回に近いところで主人公は「完全食を作れ」という課題に対して「酢は体によい」とか、勘だけでポーチドエッグを選ぶという具合にクリアし、きちんと料理を研究していた真面目な連中を破るという凄さだった。チャンピオニズムである。しかし、この漫画は所詮はビッグ先生の料理漫画達を少年漫画に落としただけのものであった。次の料理漫画は、あの「鉄鍋のジャン」である(未確認だがこの作者は昔、西原青一とかいう名前でエロ漫画を書いていたと思う)。この作品もまた、破天荒でこちらもチャンピオニズム全開の作品だった。しかし、虹色らーめんは違う。虹色らーめんにはチャンピオニズム、まったく感じられないのだ。主人公は努力するし成長もする。こんなのはチャンピオニズムとは無縁であり、そういう努力をこけにするのが主人公の役目だったのだ。虹色らーめんはチャンピオニズムを捨てた。そして、新たなるチャンピオニズムの旗手として機能している。新チャンピオニズム。それは「喧嘩・才能・萌え」である。虹色らーめんはその全てを満たし、また、アメリカはもちろんのこと、生首をこよなく愛する某なんでもパクリ国家ですら成し遂げていない、世界で初めての「コスプレ料理漫画」でもある。私は今だかつてこのようなジャンルの料理漫画を見たことがない。他誌だが、「味っ子」の主人公を女の子にして人気を取ろうとした「味美パラダイス」ですらやらなかったのだ。偉大といわざるを得ないだろう。
どんな漫画か知りたい人は単行本一巻が発売されたので読んでみてほしい。


 

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