2001/08/15
語源の話7
昨日の続きの前に。実は以前に語源に関して「もう調べない」と宣言したのですが、語源というものは調べれば調べるほど面白く、一度やったらやめられない楽しさがあります。さて、そういうわけで今後また語源に関して面白い話しが溜まってきたら突然再開するかも知れませんが、語源シリーズは今回で一端終了とします。
「われなべにとじぶた」という言葉に対して、私は常々疑問に思っていました。割れた鍋に蓋を閉じたら割れたことが見えなくなるだけで、これでは「臭い物に蓋」と何の違いもないのに、何故割れた鍋に閉じた蓋で相性がよいのでしょうか。実はこの場合のとじぶたは閉じ蓋ではなく、綴じ蓋という漢字を書きます。綴じるというのは、壊れたものを修繕するという意味で、割れた鍋に修繕された蓋をつけるから相性がよいという意味だったのです。「寝耳に水」という言葉も不思議といえば不思議です。寝ている耳に水を垂らされれば誰だって驚きますが、どうしてこのような言葉が発生したのでしょうか。実はこの寝耳に水は耳に水が入るわけではなく、水の音が入ることを表していた言葉でした。治水が完全ではないころ、川が氾濫するとその音が聞こえるわけで、当然驚くことになります。これが寝耳に水という言葉になったのでした。
普段何気なく使われている普通の言葉が実は隠語だったという例もいくつかあるのですが、その中に面白い言葉がありました。「だらしない」です。この言葉は本来は「しだらない」だったのが、隠語として「だらしない」に変わったものです。「だらしない」なんて言われたときには「だらしない」という言葉の意味を説明して、「上下入れ替えて使うなんてしだらないね」なんて言ってあげると喧嘩になること請け合いです。ついでになりますが、この「しだらない」の語源についてサンスクリット語の「スートラ」という秩序を表す言葉を語源とする説があるのですが、さすがにそこまで行くと信憑性が薄れてくる気がします。過ぎたるは及ばざるがごとし。そうそう、この言葉の語源は・・・


 

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