2001/04/12
SETI以外の話
私がSETIに関して批判的な理由は、以前に「SETIの話」で書いたとおり、自らの文明の存在年数を縮めて確率を小さくしておきながらその小さくなった確率を無視してデータを取ろうとするという自己を省みない愚かさ、及び文明が存在する年数は資源を消費すればするほど縮まるのは自明の理にも関わらず、無駄にコンピュータをぶん回して地球温暖化に協力しながら、しかもどれだけ環境破壊に貢献したかをグループで競わせるという馬鹿臭い自己矛盾ゆえです。決してこのシステム自体を嫌っているわけではありません。
システム的に見ればこれは大規模分散コンピューティングの見本であり、いわゆるネットワークアーキテクチャの観点から見ても目をみはるものです。別の技術に応用することでもっと有意義に使用できるのではないかと考えるのは人として当たり前でしょう。そんな中で無料サービスを提供しているあるプロバイダがプロバイダに接続している間に浮いているCPUパワーを使わせてもらい、その仕事量を企業に売るというかなり際どいアイデアを出しました。この計画自体は私は失敗すると思います。世の中には、自分のコンピュータが自分の知らないところで使われるのは嫌だと思う人で満ち満ちていますから。でも、果たしてそう思う大部分の人の中で自分のOSが何をしているのか完璧に把握している人はほとんどいません。とはいえ、自分のマシンの労力を無料で人様にあげるというボランティア精神にあふれる人は無料プロバイダを使っている限り、いるとは思えないので心情的には理解できないわけではありません。もっといいものはないのか、と探ってみたところ、ありました。これです。今回のプログラムは白血病治療薬の最適化研究のためのものだそうです。
SETIなんかぶん回しているCPUパワーがあるなら、こちらをやりましょう。もちろん私も参加します。ただし私は売名のために自分のドメインなどでグループを作ったり、くだらん愛国心のために国名でグループを作ったりはしませんが。


 

Topへ