2001/01/17
いいかげんな記事の話
私が今日の一言(間違い探しに改題)で一番取り上げているサイトがあります。これは別にそのサイトに怨みがあるわけではなく、私が最も良く読んでいるサイトであり、その記事の内容に信頼と価値を認めているからです。ところが、このサイトの記事にとんでもない記事を見つけました。
記事の内容は高速回線の話であり、興味深い話題なのですが、その中で100M専用線と64KISDNの比較があります。これがとんでもない記事なんです。ちょっと書きますが、ISDN回線では50〜60分かかるファイルのダウンロードが1秒で終わった、という内容です。このときに転送したファイルサイズは6.47Mバイト。計算してみましょう。ISDN64K回線は単位がビットですからバイトに直すには8で割ればいい(スタートビットとエンドビットは考慮しない)わけで、これは8Kバイトの転送速度ということです。6626Kバイトのファイルをダウンロードするのにかかる時間はこの二つの数字の単純な割り算ですから、約830秒という答えが求まります。つまり15分もあれば終わるということです。50分かかるには転送速度がたった2Kバイトのときで、ビットに直しても16K。つまりこのダウンロード数字にはパケット損失やネットワークトラフィックが考慮されているということです。その数字に対して100M直結の専用線でダウンロードした値を比べることに一体どれだけの意味があるのでしょうか。まったく意味がありません。同条件には決してならないことを承知の上で、実質速度を四分の一に見積もっている点に注目して、まったく同じように100Mの専用線が実質速度四分の一の25Mだった場合、かかる時間は2秒となりますから1秒で終わることはありません。つまりこの記事は根本的に間違っており、参考にすらならない記事ということになります。さらに転送レートがたった4MでS-VHS並みのクオリティ(デジタルハイビジョンに及ばない?「遥かに」が抜けてるよ。BSデジタルは22Mだ)など、まだまだ間違いはあります。
ネットワークの基礎知識すら知らない記者の書いた記事をそのまま載せるようなこのサイトの記事に対してもう私は二度と信用することはないでしょう。


 

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