2000/08/15
モーツァルトの話
最近、乳幼児にモーツァルトのピアノソナタを聞かせると脳の発達を助けるという噂があり、「乳幼児のためのモーツァルト」なるビデオまで出ていたりします。火の無いところに煙はでないと言いますが、さて、この噂は本当なのでしょうか。
資料を探していてわかったことなのですが、確かにアメリカの大学がモーツァルトのピアノソナタが脳の発達に与える影響に対する論文を発表しています。この論文では「モーツァルトピアノソナタグループ」と「何も聞かせないグループ」の二つにわけて脳の発達を調べたところ、聞かせたほうが聞かせなかった場合と比べて優位性が認められるほど脳の発達が違っていたそうです。ほらやっぱり根拠があるじゃないか、と思った人はちょっと待ってください。実はこの論文でターゲットになったのは乳幼児ではないのです。なんと、この実験の被験者は大学生だったのです。では、乳幼児の脳の発達と音楽に関する論文はないのかと思って探してみたところ、ありました。こちらはグループを「モーツァルトピアノソナタグループ」「現代音楽グループ」「何も聞かせないグループ」の三つにわけて実験をしています。その結果、「まったく優位性は得られなかった」。つまり効果がなかったということです。業者が儲けるために乳幼児にしてしまったというのが真相ではないでしょうか。
ところで、うちでは娘には寝るときにモーツァルトのある有名な曲を聞かせています。別に脳の発達とか関係なく、本人がこの曲を聞くと踊るか、大人しく寝てしまうからです。色々な曲を試してみたのですが本人のお気に召したのがこの曲だけだったんですね。この曲のタイトルは「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」。これはドイツ語でアイネは「一つの(アイン・ツヴァイ・ドライのアインの変化)」、「クライネ」は小さな、ナハトは「夜(英語だとナイトですね)」、ムジークは「曲(英語ではミュージックですね)」という意味で、ようするに「一つの小さな夜の曲」、「小夜曲」となります。ちなみに娘の名前は「小夜」香です。


 

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