2000/08/02
GUYの話
GUIではありません、GUYです。タフガイ、とかナイスガイなんて言葉で使われるGUYですが、私は例えナイスガイなんて言われても決して喜べませんね。何故ならその語源を知っているからです。みなさんはその語源をご存じでしょうか。ちょっと手持ちの資料を探したのですが、残念ながら見つかりませんでしたので記憶で書きます。
昔、イギリスでキリスト教会に対する無差別テロリズムがありました。これはかなり悲惨な事件で、教会に片っ端から爆弾を仕掛けて無差別に殺すという大事件でした。何件か同一犯による連続教会爆破事件が発生した後、事件は思わぬ展開を見ました。なんと、犯人がみずから仕掛けた爆弾に巻き込まれてしまったのです。まさしく彼は自爆したわけですね。もちろんこのときの爆発に巻き込まれて亡くなった人もいたのですが、もっとも爆弾に近い位置にいたにもかかわらず犯人はほとんど無傷だったのです。結局、この犯人は捕まった後でコミュニスト(共産主義者)で、そのため教会を狙ったということがわかったのですが、この犯人の名前が実はGUYなのです。この事件は新聞などで大々的に報じられましたが爆発に巻き込まれても死ななかったこの犯人のことを、なんて丈夫な奴なんだということでタフなガイ氏、つまり「タフガイ」と紹介したのです。これが「タフガイ」の語源となります。その後、この「タフガイ」という言葉は一人歩きして「丈夫な男」という意味で使われるようになってしまいました。いつの時代でもタフな男というのは格好良いと思われるものですから、それが良い意味で使われ出すのも時間の問題でした。そういうわけで、ガイは単純に「男(漢と書いたほうがわかりやすいですか?)」という意味で使われるようになり、そこから色々な言葉が発生して、ついにナイスガイという言葉が生まれたわけです。
そういうわけで、ナイスガイというのは語源から言うなら「なんて素敵な共産主義の無差別教会爆破テロリスト」と言っているのと同じなわけです。さあ、語源を知ってしまったあなたはナイスガイと言われて喜べますか?


 

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