2000/02/22
オークの話
一般的な認識は、強いゴブリンか弱いゴブリンといったところでしょうか。
オークの出典がなんなのかというのは昔から興味があり、色々と探っていましたが、どうもはっきりしたことはわかりません。ケルトでないことだけは間違いないようです。中辞典クラスの英和辞典には「オーク鬼」という形で出ているくらいなのでそれなりに有名なものなのだろうとは思うのですが。
一応、まだ中間段階ですがオルクスに従う小鬼という説が一番有力です。れいによってケルトに関係ないところには弱いのですが、私が知っている限りではオルクスというのはローマの冥府の神です。日本で言うところの閻魔大王みたいに功罪の審判もします。この説が正しければ、オークが鬼というのは非常にわかりやすいですね。どっちも地獄にいるわけだし、冥府の王に仕えているのも同じですから。
ちなみにケルト神話での冥府の神はケルヌノスかドンヌなのですが、ケルヌノスは本来は動物の王とか森の王なのでドンヌのほうがそれらしいです。ただドンヌはマイナーな神様です。だいたいダーナ神族じゃないですし(ケルヌノスもダーナ神族には含まれないけど)。ケルトを知っている人でもドンヌを知らないことがあります。人はドンヌの家より生まれ、ドンヌの家に帰る、と言われています。
ケルトが文字を持たない文明だったためにどこまで本当でどこまで後に付け加えられたのかまるっきりわからないんですよ。ほとんどがよその国の人の記録とか何十年経った後に口伝えされていたものを書き取ったとか、そんなのばっかりなんです。ドルイド自体が、その口述を担当する人だったわけですし(ちなみにドルイドは樫の木の知識の意味。樫って英語でOakと言います。今回の話のOrcとは綴りが違います)そもそもケルト神話どころか、ケルト民族自体がよくわからない。とにかく戦には強かったらしいんですが、戦うときは裸でボディペイントをしたとかって話もあります。
余談ですが、ケルトの世界観をぐちゃぐちゃに崩して妖精たちを本来の意味から誤認させる原因となったJ.R.R.トールキンの本では、オークとゴブリンがごちゃごちゃになっています(本によって同じ種族をオークと書いたりゴブリンと書いたりしている)。


 

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