2000/02/15
バンシーの話
こりゃまた有名な妖精です。アイルランドのナチュラルシンボルはシャムロック(植物)とハーブ(楽器)とバンシーとレプリカーンです。
さて、バンシーには2系統いまして、良く知られている、若くて美人のねーちゃん系バンシー(アイルランド系)としわくちゃ老婆系バンシー(スコットランド系)の2系統です。で、バンシーってのは死を予言する不吉な妖精ということになっていますが、実際は守護妖精です。偉い人が子供のころにゆりかごの番をしたりチェスの駒の動かし方を教えたり、なんか良い奴です。んで、バンシーはまれに死のにおいをかぎ当てて頭のない馬に引かせた棺を乗せた馬車と一緒に現れちゃうんですよ。そのせいでデュラハンと混同されています。困ったもんです。何度も言いますが、死を予言する伝承はバンシーが首なし馬を引いた話で、デュラハンに血をぶっかけられた話ではないですよ。余談ですが、老婆系バンシーの垂れ下がった乳を吸う勇気ある人間はバンシーの養子を主張できます。こうすると3つの願いを聞き入れてくれるそうです。やってみます?まことに残念ながらアイルランド系バンシーにやっても駄目です。もともと、バンシー自体は泣き女の風習から来たんでしょうね。泣き女というのは葬式のときに泣くことを専門とした一種の職人です。たくさんの人に泣かれることが死を惜しまれているという一種のステータスシンボルだったのでしょう。
このバンシーに似ているためこれまた混同されがちな妖精にブーバンシー(バーヴァンシー)なる妖精がいます。バンシーもブーバンシーもどちらも「妖精の女」の意味なので混同されてもしょうがないんですが。こちらは邪悪な吸血妖精だそうです。ブーバンシーってのは凄く美人な妖精なんです。まあ、妖精なんてもの凄く美人かもの凄く不細工かの2つしかないんですが。で、こいつらは逆ナンパしてつかまえた若者の血をちゅーっと吸い取ってしまいます。怖いですね。誘われたからって据え膳食わねばなんてうっかりのこのこついて行くと血を吸い取られてしまうんです。とりあえず足を見てからにしましょうね。ブーバンシーは鹿のひづめのような足を持っていますので、その足を隠しています。なんにせよ足元を見ることは大事なようで。


 

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