2000/02/14
デュラハンの話
デュラハンという妖精は私の一番のお気に入りの妖精です。そしてデュラハンもケルトな妖精です。この妖精も誤解の多い妖精ですね。みなさんデュラハンのイメージってどんな感じですか?恐らく、不死の化け物で、首なしの騎士の格好で、首なしの馬に乗って、自分の生首を手に持っている、その姿を見たものは必ず数日以内に死ぬ、そんなイメージだと思います。
この外見的なイメージ自体は正しいのですが、不死の化け物とか見たものは死ぬとかってのはちょっと違います。そもそも、デュラハンが女騎士だってことをご存知でしたか?知らなかったでしょう。デュラハンは女性の妖精なんです。しかも、この妖精は一般に持たれている悪いイメージとはかけ離れすぎている妖精なんです。
彼女のする行動は、血の入ったバケツを家の前にばらまいたり人にぶっかけたりしてそのまま去るというものなんですが、血をかけられたからといって何かあるわけではありません。バンシーのようにその家の人間が死んだりということもなければ、不幸になるということもありません。もちろん幸福になるということもないんですが。
私が初めてこの妖精の正確な知識を知ったとき思わず、なんじゃそりゃ、と叫んでしまいました。そりゃそうです。他の妖精でも意味がないものも多いですが、こいつの行動はあまりに不吉で、かつ意味深長なんですから。
そういうわけで、本当になにも起こらないのか、血を浴びた人の後日談などを調べたのですが何も出てこないんです。探しているうちに追っかけまわされた男の話とかは出てきたんですが・・・。まったくもって首なしでかつ意味なしなんですね。結局、私が納得したのはこいつは安全な通り魔というか、ただの愉快犯に過ぎないということでした。「伝承によると死を予言する」は嘘です。バンシーと混同しています。
恐らくですが、デュラハンも一種の英雄妖精なんじゃないかなと思います。ちょうど北欧神話のワルキューレ(バルキリー)のように英雄の魂を集めている、そういう系統の妖精ではないかと。
というわけで、明日はバンシーの話かな。


 

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