2000/11/29
芸術の話1
秋は過ぎ去ってしまいましたが、ちょいと芸術の話でもしようかと思います。実は私には芸術的な才能がありません。
例えば音楽に関してですが、型通りに流れているかどうかを判断することは出来ます。もちろん絶対音感などというものはありませんが、音が外れているのにはわりと敏感です。これは私が音を波長として感じ取っているためであり、音楽として感じ取っているわけではないからです。そういうわけで、私には音楽的なセンスがまるっきりありません。特にそれは創作的な部分で発揮されます。ですから私は作曲することは出来ません。耳で聞いた他人の曲をそのまま音符に直すならある程度できるのですが。同じように絵を描くことも私には出来ません。ある風景を写真のように写し取ることはできますが、そこに創作的な何かを追加したり削除したりということができないのです。また、どの風景がよい風景なのかもわかりませんから、私の絵は視点をわざとずらしたりという芸術的なテクニックを使用することができません。できないことはないのですが、私の場合、それを論理的に行ってしまうため、かなり外れたものになるようです。ですから私が描く絵はバランスは必ず中央に置かれた、他人が見たときに非常につまらない絵に見えるようです。唯一芸術的なセンスらしきものを発揮できるのは文章ですが、この文章能力もゴーストライターをやっていたことでわかりますとおり、他人の文体のコピーなら完璧にできますが、自分独自の文体というのを使うことはできません。あえて誤解を恐れずにいうなら私は非常に機械的な人間なのです。そのためか私は計算や理論、理屈の元に成り立っているものに関しては平均よりかなり高い能力を発揮できます。たとえばコンピュータプログラミングというのはかなり論理的なものなのでそれなりに組むことができます。しかし、その根本的なアイデアは誰かのアイデアをもらってこなければなりません。与えられたものをこなす能力はあってもそれを作る能力は完璧なまでに欠如しているのです。
続きます。


 

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