2002/11/28
ブルーベリーから農薬の話
ニュースによるとオーストラリア産のブルーベリーからマラチオンが検出されたそうです。マラチオンといえば確か農薬、しかもテーブルトークで紹介した記憶が無い!というわけで、早速ネタにさせてもらいましょう。
マラチオンは和名で琥珀酸ジエチル、化学名ではジメトキシチオホスホリルチオという有機リン酸系の農薬ですが、対人効果としては環境ホルモン(減精子効果を含む)としての強い疑いと、中枢神経に対する影響や視力の低下作用が挙げられます。近年の近視の増加はマラチオンのせいではないかという極端な学者も居ますが、いくらなんでもそれはないだろうと思います。まれに発ガン性物質だと言っているところもあるようですが、私が調べたところではACGIHではA4(分類不能)ですし、IARCでも3(分類不能)です。つまりどう見ても発ガン性物質であるとは言えません。WHO/FAOの定めるADI値は0.02gですし、国内での使用例はほとんどないようですから、それほど気にすることは無いと思います。今回のケースは厚生労働省によって認められた基準値を上回る量、検出されたということですが、0.5ppm基準に対して0.67ppmの検出というところで、微妙にアウト。さすがにブルーベリーを死ぬほど食うこともなかろうとは思いますが、基準値を越えるのは良くないこと、ということで当然の処置と言えましょう。
さて、某食品分析センターの検査によると、マクドナルドやロッテリア、ケンタッキーフライドチキンやモスバーガーなどのファストフード店で使用されているパンからマラチオンが検出されたそうです。他のファストフードに関しては正直驚かなかったのですが、あんなに減農薬だの有機だのと安全性をうたっているモスバーガーで!と思いませんか?そこでモスバーガーのサイトに行ってみました。そのサイトで商品の安全性に関して書いてあるのは牛肉と野菜だけで、パンに関する安全性は一言も記述されていないんですね。なるほど納得。


 

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