2002/09/21
プラズマテレビの話2
続きです。
プラズマ発光の原理は、高エネルギー化した電子が他の分子や原子と衝突してエネルギーを与え、そのエネルギーが光となる、なんて書くと、なんだか凄まじい印象を与えますが、プラズマディスプレイの場合のプラズマは、そんな凄い代物ではありません。基本的にプラズマ状態とは、電子と原子核が遊離し、混在していれば良いわけです。であれば、真空に近い状態を作ってやれば、低い温度でも電子と原子核の分離が起こりますし、総分子量が少なければ、トータルで発生する温度も低くなります。そして、実はこの原理は物凄く身近なものに存在しています。蛍光灯です。実はプラズマテレビというのは、名前は「プラズマ」と格好良いのですが、その正体は単なる「蛍光灯テレビ」なのです。実際、プラズマテレビを調べてみると、基本的にはキセノンやネオンやヘリウムのガスに電圧をかけてプラズマ化させて紫外線を発生させ、それをRGBの蛍光セルにぶつけて発色させています。ようするに三色の蛍光灯がいっぱい詰まっただけの代物なのです。プラズマテレビが通常のブラウン管よりも優れている点は、ビーム走破(単式の電子銃が順番に画面の左上から右下まで発光させていく方式。そのため、解像度が高くなると電子銃の走破までの時間ムラが発生する)でなく、全面同時発色という点に尽きると思います。また、基本的には蛍光灯の集合体ですから、解像度を上げるのが容易で大型化することが可能ですし、薄型かつ軽量化も実現できます。また、原理的に歪みが発生しませんし、蛍光灯ですから発光も自然です。それにフルカラーでの発色が可能です。
この利点のためなら、多少のコスト高には目を瞑りましょうか。消費電力が高かったり(250W!)、値段が高かったりする以外にも、寿命が10000〜20000時間、ブラウン管の半分程度だというのも忘れないように。ちなみに、寿命を調べようとしたら、ほとんどの家電メーカのカタログに記載されてありませんでした(書いてあったのは長寿命20000時間を謳う日立さんだけ。他メーカはそれ以下だろうね)。液晶テレビ(50000時間)では必ず書いてあるのにね。


 

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