2002/06/17
ジャンプで地震の話1
笑い話として、中国人が一斉にジャンプしたら大地震が起こるというのがあります。これは何故か本気で信じている人も居るようで、笑ってしまうんですが、実際にジャンプしたらどうなるかという実験をした国があります。イギリスです。そのイギリスでの実験は昨年の9月に行われ、日本でもニュースになりました。
その年はイギリスでは科学年として、色々な科学的実験を、国を挙げて行っていました。この地震実験もそのうちの一つです。実験は100万人の子供が一斉にジャンプすることで擬似地震を起こさせるというもので、理論上は10万人の小学生が1分間に20回平均のジャンプでマグニチュード3のエネルギーになるので、その10倍のエネルギー(後述するが、マグニチュードで言うなら約3.6強)が発生するというのですが、これは本当でしょうか。さて、この実験の結果については、日本語で説明しているサイトが見つからず、探しました。その結果、ジオナビというサイトさんが、この実験の結果を日記でちょこっとだけ書いてあるのを発見しました。実験は成功したと書かれていますが、リンク先を見たところ、どうみても成功したとは思えませんでした。その理由は後述するとして、そもそもマグニチュードとはなんでしょうか。よく誤解されているようですが、マグニチュードと震度には直接的な関係はありません。震度とは地上での揺れの感覚的表現に過ぎず、これは地域や場所、国によってその尺度が異なります。一方、マグニチュードはチャールズ=リヒターというアメリカ人が提唱したもので、地震の持つ純粋な総エネルギー量であり、これは国や地域によって異なりません。地震の持つエネルギー量がどれほど大きくても、それが地中深い位置で発生したなら、震度は小さくなりますし、エネルギー量がどれだけ小さくても、地上に近いところで発生したなら、震度は大きくなります。今回のイギリスでの実験は、地上で発生するわけですから震度が最大になるはずですね。
続きます。


 

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