2002/05/08
中国緑茶の話
中国で烏龍茶や鉄観音茶を飲むのは福建省や広東省くらいで、大抵は緑茶かジャスミン茶です。しかし、台湾ではほとんどが烏龍茶です。
最近、各社から狙ったように一斉に中国緑茶系飲料が発売されました。元々、中国では茶の総生産量の半分以上が緑茶(緑茶以外はほとんどが海外に輸出するため、中国国内では8割程度の飲料率)ですから、中国産の緑茶に注目するのは、ある意味当たり前です。しかし、中国産の緑茶というのは概して非常に高価(ちょっとお茶の専門店に行けばわかるが、数千円が当たり前)で、とてもボトル飲料にできる代物では無いのです。おまけに一社の成功を受けて他社が出すというのはよくあるケースですが、今回の場合は各社で時間差がほとんどありません。何か裏があるのではないかと疑いたくなります。そこで、ちょっと調べてみたところ、色々と面白いことがわかりました。どうやら、海外で中国緑茶の輸入が規制されたようです。特に有名な竜井(ロンジン)茶は、鉛含有量が高すぎるためにヨーロッパでは完全規制され、アメリカでは中国食品の輸入差し止めが5ヶ月で600回以上という凄い数字になっているため、欧米市場から中国産の商品が締め出された形になっているのです。そうすると、当然ですが市場は暴落し、余った茶葉ができます。この「欧米で輸入規制された」余剰茶葉が多くなったタイミングと、日本で各社一斉に中国緑茶が発売されたタイミングがあまりに一致しすぎているのには、もう失笑するしかないですね。むろん、国内に持ちこまれた茶葉が重金属の塊だとは思いませんし、中国産の茶葉の全てが基準値を上回る量の重金属を含んでいるとは思いません。また、日本の清涼飲料水基準は鉛は含有しては、ならないだったと思いますから、それほど心配する必要はないのかも知れません。単に、暴落した茶葉を元に製品を製造しているだけかも知れませんが、疑いは晴れません。
そういえば今手元にある某ペットボトル。新中国茶と書かれていますが、国産の文字が。清涼飲料水の原産国表記ってどうなってるんでしょう?


 

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