2002/03/25
映画の話
アメリカで今年もゴールデン・ラズベリー賞が発表されました。
今年はマライア・キャリーが選ばれたためにかなりの人が知ったと思いますが、知らない人のために説明しますと、この賞はアカデミー賞のまるっきり逆、映画界におけるその年の最低の映画・監督・俳優などに贈られるという賞です。しかも、選考は映画評論家や関係者が行うという、不名誉ある賞です。授賞式はアカデミー賞の前日。受賞者には、8ミリフィルム缶の上に、金色のゴルフボールを乗せただけの(自称)ゴージャスなトロフィーが贈呈されます。個人的にはリメイク版の猿の惑星がきちんと今年のゴールデン・ラズベリー賞を受賞してくれたことが嬉しかったりします。さて、最近の映画事情はお寒いかぎりで、せいぜい原作人気にあやかったファンタジー作品が評判良かったくらいでしょうか(といっても観客動員数ほど面白かったとは思えないが。クリント・ストーンズを出すまでもなく、原作付き映画は原作人気だけで駄作でもある程度の入客を見こめることを証明しただけだね)。前宣伝の煽り文句に騙される人も少なくなったとは思います。全米ナンバーワンヒットなんて、単に週間ヒットチャートで計算していますから、最高で年に52作品が全米ナンバーワンですし。ところで最近ではその前宣伝も難しくなってきました。なにせ日米同時公開ですから。実はこの日米同時公開でアメリカの最新映画が見られるし、日本を特別視していると喜んでいる人もいるようですが、とんでもない話です。日米同時公開は、純粋に映画にかかるコストの問題です。最近の映画は無駄にSFXだの無駄にCGだのを駆使するおかげでコストが高くなってしまったんですね。その結果、うっかり外してしまうと損害が大きいというハイリスクのものになっています。ですから外れる可能性があるのにアメリカで放映してから日本に持ち込むという危険を犯すよりも同時公開にしたほうが安全という、非常に観客を馬鹿にした行為なのです。
無意味に高い金を駄作のために払ってくれるという意味では日本を特別視している、というのはあながち間違いじゃないかも知れませんね。


 

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