2002/03/20
憲法第七条の話1
宗男問題も決着がつきつつあり、その余波も終焉に向かっています。そろそろ憲法第七条論が再燃しそうな雰囲気ですので、この古くて新しい問題を取り上げたいと思います。
憲法第七条と自衛隊は矛盾する存在なのでしょうか。テーブルトークでも何度も言っていますが、自衛隊は軍隊です。辞典によると「軍隊」は「一定の規律のもとに組織・編制された軍人の集団」ですから、まさしく自衛隊は軍隊そのものです。憲法第七条の二項では「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と書いてありますが、自衛隊は間違いなく陸海空軍そのものです。たとえ大佐を一佐に、攻撃機を支援戦闘機に名前だけ置き換えたって、軍隊です(状況証拠しかないが、この攻撃機アレルギーは面白い結果を残している。アメリカのホーネットという戦闘機は元はF/A−18という型番で戦闘/攻撃機と言われていたが、日本が時期戦闘機の策定を始めると何故かF−18戦闘機に名前を変え、採用が見送られるとまたF/A−18戦闘/攻撃機に名前を戻した)。しかし、この第二項には但し書きがあります。それは「前項の目的を達するため」という一文です。前項とは「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」というものです。この文に出てくる言葉のうち重要なものを辞典で調べてみましょう。まず、「戦争」とは「武力を用いて争うこと。特に、国家が自己の意志を貫徹するため他国家との間に行う武力闘争。国際法上、宣戦布告によって発生し、戦時国際法が適用される」そうです。一方、「国際紛争」は「国と国との間に起こる紛争。広くは戦争も含めるが、普通、戦争にはいたらない程度のものをいう」のであり、「紛争」とは「事がもつれて争いになること。個人や集団の間で、対立する利益や価値をめぐって起きる行動や緊張状態をいう。もめごと」です。さて、前二文を並べてみると、この第七条が軍隊の保有を禁じているわけではないということがわかります。
続きます。


 

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