2001/12/16
猫にかつおぶしの話
ねこまんまという言葉があるくらい、猫にかつおぶしというのは当たり前のように言われていますが、実際、猫にかつおぶしを与えるのは正しいのでしょうか。
そもそも、猫が魚が好き、というのは誤った知識だということを覚えておいてください。考えてみれば、猫は世界中のどこにでも存在しており、そこには魚が身近ではない地方もあるのです。そういった地方の猫は決して魚を食べません。たとえばイギリスの猫に魚を見せても、まったく見向きもしなかったという話があります。また、イタリアの猫はパスタが好物という嘘のような本当の話があります。実際、世界レベルで見て魚を食べる猫というのは、ほぼ日本だけ、と考えてもよいでしょう。何故このようなことがおこるのかというと、本来、猫の嗜好というのは生後数ヶ月で決定され、そのときに食べた食物を食料と認識するようになります。このときに魚を食べさせれば魚好きになりますし、肉を食べさせれば肉好きになります。偏食をさせると、一生偏食のままです。日本では何故か猫は魚が好きという誤った認識があり、子猫のころから魚ばかり食べさせるため、魚しか食べられない猫が生まれてしまうという、猫にとっては大変不幸な事態に陥るようです。とくに注意すべきはかつおぶしと煮干で、これは猫にとってみれば最悪と言ってもよい食品です。猫は物凄くたくさん水を必要とする生き物で、実はかつおぶしや煮干といった乾物というのはそのままでは水分が取りにくいのです。特にかつおぶしはマグネシウムが多く含まれており、人間が食べる場合はカルシウムの吸収を助けてくれるので良いのですが、猫の場合はこれが尿石になりやすくなるという弊害を持ちます。そして最終的には「ストルバイト尿石症」となり、もがき苦しむことになります。
かつおぶしを猫に食わせるくらいなら自分で食べましょう。カルシウムの吸収ではかつおぶしはかなり効率が高いですし。ねこまんまなんて美味しくないって?それは美味しいかつおぶしを食べていないからだと思いますよ。日本一丁寧な製法で作ったかつおぶしでも使ってみては?


 

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