2001/12/08
アイスクリームとシャーベットの話3
昨日の続きです。
1800年ごろにはアイスクリームというものは広く認知され、一般市民でも食べられるものとなっていました。このアイスクリームはアメリカで爆発的な人気を誇ります。そして「アイスクリームの母」ことナンシー=ジョンソンがホームメイドアイスクリーム作製機(手回し式アイスクリームフリーザー)を発明したことで、この人気にさらに拍車がかかります。日本でも1869年には「あいすくりん」の名前でアイスクリームが誕生します。さらに1900年に資生堂が誕生し、資生堂パーラーに卵の黄身を使ったアイスクリームが誕生し、全国に普及していきます。ちなみに日本のアイスクリーム消費量は世界第三位(一位はアメリカで二位は中国)です。一方、シャーベットのほうもアイスクリームと同様に広まっていきます。それ以外のアイス系の冷夏ではアイスクリームの変形のソフトクリームが国内では1893年、不二家で作られています(ちなみにアイスクリーム用のコーンの国産化は1953年。戦後から!)。シャーベットの変形とも言えるアイスキャンデーは、およそ1930年代ごろから普及したと考えられます。これは1936年に「山口アイスケーキ店」が出来ていることが裏づけとなっています。名前はアイスケーキ店ですが、1960年代に創業された物部アイスケーキを見ると、それが今のアイスキャンデーであることから、アイスキャンデーはもともとはアイスケーキと呼ばれていたことがわかります。では、現在のアイスケーキ(アイスを使ったデコレーションケーキ)はというと、これがまったく資料がありません。私も調べてみたのですが、ものすごく最近なのではないかというデータしか出てきませんでした。確実にわかっているのは日本では1910年より前ではないということです。なぜなら、日本で普通のデコレーションケーキが初めて登場したのがこの年だからです。
さて、ざっくりとアイスクリームとシャーベットの話を書いてきましたが、なんとなく食べたくなってきたでしょうか?今は冬です。クリスマスシーズンということでアイスケーキを食べることもあるかも知れませんが、体を冷やさないように、ほどほどにどうぞ。


 

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