2001/11/26
暗号化の話2
昨日の続きです。
公開かぎ・秘密かぎ暗号の仕組みというのは非常に面白いわりには単純です。あるパスワード(かぎという)で暗号化した文章は、別のパスワードでないと復号できない、というだけですから。具体的には、公開かぎを使って暗号化した文章は秘密かぎを用いないと復号できず、秘密かぎを使って暗号化した文章は公開かぎを用いないと復号できない、という仕組みになっています。公開かぎを用いて暗号化しても、公開かぎでは復号できないし、秘密かぎを用いて暗号化しても、秘密かぎでは復号できません。また、公開かぎから秘密かぎを計算することは、ほとんどできません(秘密かぎから公開かぎを計算することはできる。ほとんど、と書いたのは計算には高度素因数分解が必要となるため。余談だが最近のトピックとして現在の素因数分解方式の暗号は量子コンピュータを用いると瞬時で解かれてしまうらしい。そのため量子コンピュータ時代には量子暗号というのが用いられると言われている)。この方式を使用する場合、公開かぎは全ての人に公開してしまいます。文章を暗号化して相手に渡す必要がある場合は相手の公開かぎを用いて暗号化した文章を相手に渡します。相手は自分の秘密かぎを用いて復号します。この方式の場合、暗号でやりとりする人が10人いようと100人いようと、覚えておく必要のあるパスワードはたった1つ、自分の秘密かぎだけで済むのです。だって、相手の公開かぎや自分の公開かぎは公開されていますから、必要になったら毎回もらえばいいのですから。もちろん暗号化していない文章で「あなたの公開かぎは何だっけ?」と聞いてもまったく問題がありませんし、公開かぎをメモに書いてそのへんに貼っておいても構いません。
この公開かぎ・秘密かぎ暗号の特徴として、秘密かぎで暗号化した文章は公開かぎでしか復号できない、というものがあります。この仕組みを利用することで最近は電子署名が作られるようになりました。続きます。


 

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