2001/11/25
暗号化の話1
世の中には色々な暗号が出回っています。特にコンピュータの世界では暗号技術というのはセキュリティのためどうしても必要なことであり、そのため色々な種類の暗号が考えられてきました。今日は暗号の話をします。
一番最初に普及したのは可逆暗号でした。これはキーとなる暗号を用いて暗号化したものは同じキーを用いて復号(暗号をかける前の状態に戻すこと)できるという、非常に単純な仕組みです。これを用いることでそのキー暗号を知っている人なら誰でも復号できますが、キー暗号を知らない人には復号できないという仕組みを作ることができました。ところが、たとえばパスワードのようなものは、暗号化されたデータを用いてパスワードを逆に計算できるという弱点を持ちました。そのため、セキュリティの観点から、復号できない暗号が必要となりました。これが不可逆暗号です。不可逆暗号は決して復号できません。暗号化しかできないのです。パスワードを暗号化した状態で保存しておき、認証の場合はパスワードを入れてもらってそれを暗号化した値と保存した値が一致していれば正しい暗号、という仕組みですね。世の中はだいたいこの二つだけで済んでいました。しかし、さらに時代が進むと、この方法ではどうもうまくいかないことが出てくるようになります。たとえば電子文章を暗号化しようとしたときです。文章は復号できないといけませんが、復号するためにはパスワードを知る必要があります。では、そのパスワードはどうやって相手に伝えればいいのでしょう。パスワードはこうこうですと相手に伝えてしまったら暗号化の意味がありませんし、おまけにたとえば10人の人と暗号でやりとりするためには10人分のパスワードを覚えておかなければなりませんよね。これはどうも美味しくない話です。必要は発明の母ではありませんが、なんとかならないかと思う人が増えたら、面白いことを考えた人がいました。公開かぎ・秘密かぎ暗号方式です。
続きます。


 

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