2001/11/02
海綿状脳症とプリオンの話2
昨日の続きです。
12年でたったの100人ですが、そのうちの40%がこの一年の間に発病したことを考えれば、潜伏期間が長いのかもしれないという反論もあるでしょう。実は異常プリオンは虫垂にも溜まることから、人の虫垂を摘出してそれを調べるという試みがイギリスで行われていますが、まだ一件も異常プリオンが見つかっていません。このことから、食った人間全部が発病するわけではないという結論が導かれそうです。そうすると異常プリオンを大量に食うと発病するか、もともと発病しやすい遺伝子を持つと発病するといったことが考えられますが、発病した人を調べても食生活に差異はありませんでしたし、遺伝子のほうも同一家族で発病する人としない人がいますから、これまたまったくわかりません。このことから狂牛病が非定型クロイツフェルトヤコブ病を起こしたのではないという説もあります。こういった反対派は非定型クロイツフェルトヤコブ病が突如増加した理由に関して、非定型クロイツフェルトヤコブ病は狂牛病発生よりも前からあった病気にも関わらず、単にそれを非定型クロイツフェルトヤコブ病と認識しなかっただけで、狂牛病が人間にうつるかもしれないと思って調べるようになったから発見されるようになったという面白い論文を出しています。私はさすがにこの説に全面的に賛成する気はありませんが、分子学が発展するまでは調べる方法はなかったわけですから、ありうる話だとは思います。さて、ここからは私の勝手な想像なのですが、外的要因から狂牛病の異常プリオンが非定型クロイツフェルトヤコブ病の異常プリオンに変化した可能性はないのでしょうか。イギリスでは羊の肉骨粉の処理方法を変えてから狂牛病が多発するようになりました。同じように牛のと殺方法を変えてから非定型クロイツフェルトヤコブ病が多発するようになった可能性はどうでしょう。あるいはイギリスに多い「何か」が人体に影響を与え、狂牛病の異常プリオンを非定型クロイツフェルトヤコブ病の異常プリオンに変化させるという可能性はないのでしょうか。
明日は最新治療法をまとめて海綿状脳症シリーズを終わりにしたいと思います。


 

Topへ