2001/10/27
海綿状脳症の歴史の話1
ここのところのテーブルトークに不自然さを感じた人は、いますか?全て前後編の二部構成になっていて単発物が極端に少なかったのですが、こういうとき私は大抵、ものすごく時間のかかりそうなテーマを追いかけています。今回は海綿状脳症に関するテーブルトークを書こうと思い立ちちょっと調べただけでもこれがかなり手ごわい存在だとわかりました(そして、この予想は当たった)ので、前後編になりそうなテーマを選んでテーブルトークを書き溜めしていたわけです。前置きはこのくらいにして、海綿状脳症の話を書きましょう。
まずはいつものように歴史から行きます。まず、一番最初に海綿状脳症が発見されたのはおよそ今から200年も前のことです。その病気はスクレイピーと呼ばれていました。羊達が突然暴れ出すという症状を見せたのです。これは今になってみれば海綿状脳症に冒された羊が神経をやられてかゆみを感じ、なんとかしてそのかゆみを取ろうと暴れていたとわかったのですが、当時はそのようなことはまったくわからず、謎の病気として処理されていました。この病気は1930年代に入ってやっと発病した羊の脳を健康な羊に接種すると感染する伝染病であることがわかりました。さて、それとは別に1920年に、神経病理学者であるハンツ=クロイツフェルトが23才の女性に現れた特異的な症状を持つ病気を発表しました。翌年にアルフォンス=ヤコブも同じ症状を発表しました。これがクロイツフェルトヤコブ病です。さて、1960年代になってスクレイピーに似た症状が人に出ているという報告がウィリアム=ハドロウによってなされます。この病気を詳しく調べてみると、人食い人種にのみ発病することがわかりました。これをクールー病と言います(実はこの病気はあのブラックジャックにも出てきたことがあります)。この病気に対してアメリカ合衆国国立衛生研究所のカールトン=ガイデュセックがクールー病患者の脳を猿に接種して発病させ、伝染病であることがわかります。
続きます。


 

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