2001/10/18
炭疽菌の話2
昨日の続きです。
人への感染ですがこれは三種類の経路があります。最も多いのは炭疽汚染された土壌や炭疽汚染された動物の死骸、またはその加工品に触れることで切り傷などから入る皮膚感染(皮膚炭疽。昆虫の刺傷による感染もある)、炭疽汚染された肉を食べてまれに発病する経口感染(腸炭疽)、そして人為的にでもやらない限り起きない呼吸器感染(肺炭疽)です。炭疽は大体1〜7日ほど潜伏してから発病し、数日後に突如症状が悪化して呼吸困難、チアノーゼ、痙攣が起きて死にます。適切な治療を行わなかった場合の致死率は実に90%を越えるという、凄まじい威力があります。その致死率の高さから炭疽菌は古くから兵器として研究されており、アメリカでは1960年代に兵器化されていました。また、ロシアやイラクでも兵器化されていたことがわかっています。炭疽菌の症状は感染経路によって異なります。皮膚炭疽の場合、感染後にニキビのような紫色か赤色の腫れが出来、数日後にその周りに水泡ができます。これには痛みはありません。さらに数日でこれが膿んで中央に黒褐色の炭疽癰(carbuncle:カーバンクル!)というのができますが痛みはやはりありません。この症状は非常に特徴的なのですぐに感染が確認できます。腸炭疽はさらに二種類の症状に別れ、腸型の場合、吐き気や腹痛、吐血や血便発熱などを起こします。口咽頭型だと喉の乾き、咽頭炎や発熱などの他に首のリンパ節が腫れるなどの症状を起こします。肺炭疽の場合は発熱、疲労感、倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、などの症状が見られます。要するに皮膚感染以外では風邪と区別がつきにくいのです。予防法は生ワクチンがありますが、国内には存在しておらず、アメリカでも一社でしか作られていない状態で、それすら現在は副作用の問題で発売を中止させられています。
このように怖い炭疽ですが、発病後も抗生物質による治療が可能であり、炭疽菌が人為的にばらまかれた場合でも発病前に抗生物質を投与することで予防可能です。よって早期発見が重要となります。また、炭疽菌は今だ人から人へ二次感染したことはありませんので、隔離も不要です。


 

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