2001/10/10
美味しい紅茶の話3
続きです。
紅茶を知っている人ならチップスという言葉を聞いた事があると思います。チップスというのは本来はスリランカの極一部の地方で製造されていたものでした。紅茶の茶葉というのは一芯二葉と言って普通は芯芽とその下の二枚の若葉だけを摘むのですが、その地方では年の初めの茶摘みの際に芯芽だけを摘み取るのです。これがチップスと言われているものです。この芯芽の色が黄色っぽいものをゴールデン、灰色っぽいものをシルバーと言います。これは単に芯芽の色の違いに過ぎませんからどちらが上ということはありませんし本々芯芽のことを指しているのですからどんな紅茶にも含まれているものです。ではチップスがうまいものかというと、実はチップスだけで淹れた紅茶というのはぬるぬるとしていて色も味も香りもありません。しかしこのぬるぬるはうまみ成分であるテアニンを主成分としているため、普通の紅茶に加えてやることで味がぐっとよくなるという、紅茶の調味料なのです。さて、別の方面から味というものを考えてみましょう。そうするとなんといっても新茶が美味しいに決まっています。特に紅茶の場合は製茶から三ヶ月で味が半減するとまで言われているのです。ですから一番美味しい紅茶は現地で発酵したての紅茶を飲むこととなりますが、これは難しいのでできるだけ新鮮な紅茶を飲むしかありません。一つだけ言えるのはヨーロッパブランドの紅茶にうまい紅茶があるわけがないということです。考えてもみてください。紅茶の産地は基本的にアジア・アフリカです。出来た紅茶をグレード分けしティスティングで調整しオークションにかけてせり落ちたものをヨーロッパに運びブレンドし包装したものをまたアジアである日本にまで運んでいる間にどれだけ味が落ちるか語るまでもないでしょう。その証拠にヨーロッパブランドの紅茶には製造年月日が入っていません。良心的なところでせいぜいパッキングした日を入れている程度です。
結局、信用できる紅茶専門店を自分で探してそこを使うしかないということですね。


 

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