2001/10/08
美味しい紅茶の話1
とにかく紅茶には「三大」が多く、紅茶の美味しさを決める要素も三大だらけです。まず、大まかな三大要素としてよく知られているのが「味」と「香り」と「水色(すいしょく)」です。これは早い話が味覚と嗅覚と視覚を満足させろということで、割と理に適っていると思います。
紅茶の味は三大要素によって出来ており、甘味と渋みと苦味です。甘味はアミノ酸の一種のテアニン(いわゆる「調味料(アミノ酸等)」の一つ)が、渋みはカテキン(酸化防止剤として用いられる)が、苦味はカフェインが出しています。香りも三大要素として三つの花の香りに近い成分が発見されており、それは薔薇と菫(すみれ)と鈴蘭です。本来の茶葉にはこれらの成分は極微量しか含まれておらず、そのために葉をしおらせたり揉んだりすることで強調させます。この香りを出すために昔は手で揉んでいたのですが、今は世界の80%以上が機械を用いています。これはCTC(Crush-Tear-Curl)製法というのを使います。しおれさせた茶葉を引き千切る(Tear)ように切りながら潰していく(Crush)と勝手に茶葉が丸くなる(Curl)という、そのまんまの製法です。葉が細かいため抽出時間も短く、葉っぱの量も少なくて済むため、主にティーバッグに用いられていたのですが、最近はアフリカ系の茶葉だけではなく、インドやスリランカも追従しつつあります。最後に水色ですが、これまた三大要素があり、酸化したカテキンとテアルジビン、テアフラビンがつけていますが、酸化したカテキンの影響はほとんどなく、基本的にはテアルジビンとテアフラビン(どちらも抗酸化性酵素の一種)がそのほとんどを決めています。この二つの違いですが、わかりやすく言うと色の濃さを決めているのがテアルジビン(多いと褐色が強くなる)、色の明るさを決めているのがテアフラビン(多いと色がオレンジっぽくなる)です。紅茶の水色はオレンジに近ければ近いほうがよいとされているため、実はテアフラビンの量の多い紅茶が水色の良い紅茶ということになります。
続きます。


 

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