2001/10/06
紅茶の歴史の話1
昨日、ちょっとスリランカの話を書きましたのでついでに紅茶の話を。
まずはいつものとおり起源から辿っていきましょう。お茶の起源を辿っていくと中国に辿りつきます。中国の話なのでかなり眉唾だということを承知の上で書きますが、今から4700年ほど前(もちろん、実在が証明されていない夏王朝よりも遥か昔)に神農という人物がおり、彼が木の下で水を沸かしていたら葉っぱが水の中に落ちたのですが、そのまま飲んだら美味しかった、それがお茶の始まりだというのです。一応、明らかなところでは始めは茶葉を茹でて食べたりしていたのを乾燥させて粉にしたものをお湯に入れて飲む「抹茶スタイル」になり、そして乾燥させた茶葉をお湯で抽出する緑茶スタイルになります。発酵茶、つまり紅茶に関しては中国からイギリスに運ぶ際に発酵して・・・という話が流布されていますが、これは伝説に過ぎず、既に釜炒り茶の手法が用いられていましたので発酵はしませんでした。そもそもお茶そのものはもともとオランダが独占しており、イギリス・オランダ戦争でイギリスが勝利してから初めてイギリスに行くようになったのですから。実は紅茶は今から1000年ほど前に中国において、安くて質の悪い茶葉をなんとかして美味しくするために手をかけた手法の一つだったのです。ところがこの(半)発酵茶は値段が安く、また香りも強くなり、さらにミルクとの相性が良かったためむしろヨーロッパでは緑茶よりも受け入れられ、紅茶が緑茶を駆逐することになりました。これは今からほんの400年ほど前のことです。よって紅茶の歴史はたった500年ほどということになります。そして1923年に事件が起こります。ブルースというイギリスの探検家がインドで野生の茶木を発見したのです。そしてそれは中国のそれとは異なる茶葉だということもわかり、中国種とインド種の異なる茶木の交配が進み、さらにフォーチューンなるイギリス人が緑茶と紅茶の製法の違いを独自に見出し、紅茶の世界は一気に広がったのです。
明日は日本での紅茶の歴史について書きます。


 

Topへ