2001/09/27
ビール腹の話
30を過ぎて、しかも例の病気のおかげでろくに運動も出来ない、おまけにプログラマなどというストレスとの戦いのような仕事で一日中机に座っていれば、嫌でも腹が出てきます。こういう状態を中年太りとかビール腹なんて言うのですが、中年というにはまだ若いと思いますし、ビールで太ることは、実はないのです。
一般的なビールのカロリーは大瓶で約250キロカロリーであり、これはほぼお茶碗一杯分のご飯に等しいカロリーです。グラム当たりのカロリーを比べてもビール100グラムで40キロカロリー程度であり、ご飯のカロリーが150キロカロリー(パンだと250キロカロリー)ですから、圧倒的に少ないのです。しかも、ビールの主なカロリーはアルコールによるもので、そのアルコールは呼気によって排出されます。だから酒気帯び運転のアルコール測定ができるのです。余談ですが、酔いを速く覚ますには深呼吸をするのが最も効果的です。それほど呼気排出量は多いのです。そういうわけで、実際に吸収されるカロリーはさらに少なくなりますし、アルコールは体内でアセトアルデヒドに、アセトアルデヒドから酢酸に変わり、最終的には二酸化炭素と水になります。そういうわけでエネルギーとして蓄積できる形になりませんので、肥満に繋がることはありません。にも関わらずビールが太ると言われている原因としては、ビールの持つ間接的な働きが挙げられます。まずビールに使用されているホップですが、これの苦味は消化液の分泌を増加させ、食物の消化を助ける働きがあると考えられています。また、ビール100グラムには約0.2ミリグラムのナイアシンが含まれており、これが食欲増進効果をもたらすとする人もいますが、アルコールの分解にはナイアシンが消費されますからこちらは眉唾です。
結局、ビールを飲むと太るというのに直接的な根拠はなく、ビールと共に食事を取ると食事の量が増えてしまい、結果として太る、ということのようです。ビールの成分は体内にほとんど蓄積しないのですからビール腹というものは存在しないのです。だからと言って腹が引っ込むわけではありませんが・・・。


 

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