2001/07/31
きつねの嫁入りの話
雨が降らない、水不足だと騒いでいたら突然天候が崩れて、夜な夜な雨が降ったりする変な天気になりました。晴れているのに雨が降るお天気雨が降っていたりするわけですが、このような雨をなぜきつねの嫁入りと言うのでしょう。
実はきつねとお天気雨にはまったく関係がありません。もともとこのきつねの嫁入りという現象はお天気雨を指す言葉ではなかったのです。そもそものきつねの嫁入り現象は、夜間に山野に火が灯る怪奇現象(
今風に言うなら人魂現象)のことで、昔、嫁入りするときは夜に松明をかざして行列を行った風習があったため、嫁入りのスケジュールがないのにそのような火が灯ると、あれは人が嫁入りしているのではなくきつねが人を化かすためにやっているということできつねの嫁入りというようになり、それが転じて怪奇現象全般をきつねの嫁入りというように拡張され、現在のお天気雨をきつねの嫁入りというようになったそうです。さて、山口県の下松市ではこのきつねの嫁入りを毎年一度行います。といってもお天気雨が毎年発生するというわけではなく、花岡福徳稲荷社で稲穂祭という祭りがあって、この祭りの別名がきつねの嫁入りなのです。総勢200人あまりが行列を作り、実際に花嫁と花婿を乗せた人力車を先頭に、その後ろから親族、媒酌人、子供が皆きつねのお面をつけて練り歩き、稲荷社で三三九度まで行ってしまうという祭りなのですが、こちらも実は本来のきつねの嫁入りとは関係がありませんし、由来すら嫁入りとまったく関係がありません。その由来とは、ある住職が数珠を無くした所、枕元に夫婦のきつねの霊が現れ、自分たちのなきがらを供養してくれれば村を災難から守ると言って数珠を置いて消え、本当にきつねのなきがらがあったので丁寧にまつわって稲荷社を作ったという話です。それが何故かきつねが嫁入りする祭りに変わりました。
きつねの嫁入りは実際も祭りも由来自体がきつねに化かされたようなわけのわからないものだと思うのは私だけでしょうか・・・。


 

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