2001/07/27
月の旧名の話6
今日で月の旧名シリーズも終わりです。長い道のりでした。
十一月の旧名は「霜月」と言います。語源は霜がしきりに降る月であったことから「霜降(しもふり)月」が変化した説で決まりです。と思ったらちゃっかり異説が・・・。「凋(しぼ)む月」変形説なんてのがありました。無視しましょう。この月の別名に「神帰月」というのがありますが出雲大社から神が帰って来るからではありません。天の岩戸を開いてアマテラスオオミカミが帰ってきた故事にちなみます。そのため「神楽月」とも言います。草木が露に濡れる月ですので「露隠端月」「霜降月」「霜見月」、雪を待ち望み「雪見月」「雪待月」なんてのもあります。わけわからない系は「建子月」「子月」「暢月」「達月」「葭月」「辜月」「章月」「竜潜月」「天正月」「復月」。本当にわけわからないです。さて、十二月です。この月の旧名は「師走」ですね。「諸事繁くし、師匠また趨走す」から「師趨」の変化というのが一般的ですが、異説多数。まずはお経を詠むために仏僧があちこちに馳せる月、「師馳月」の変化説というのが割と有名で、これ以外に四時(四季の古語)が果てる月という意味から「 為(し)果つ」「四極」の変化説、「 忙(せわ)し」の変化説、「年果つる」「歳極」変化説、「成終(なしはつる)月」の変化説なんてのもあります。この月の別名には用は年の終わりですから「限月」「極月」「暮来月」「暮古月」「年積月」。「春待月」もこれに含めましょうか。また冬の寒さまっさかりなので「厳月」「三冬月」「窮月」「氷月」。気が早いので「梅初月」んてのもあります。わけわからない系では「建丑月」「弟月」「乙子月」「茶月」「除月」「親子月」「臘月」あたりがあります。
テーブルトーク史上でも最大に近い全六回でお送りしました、今回のシリーズ。私同様、知っているようで実はまったく知らないどころか間違って覚えていたり、いまだにわかっていないことがいかに多いかを思い知らされたりしたのではないでしょうか。とりあえずこれだけ調べるのに費やした時間を考えると語源系には手を出さないほうが無難なような気がしてきます。


 

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