2001/07/26
月の旧名の話5
あと少しで終わりそうですね。今日は九月から。
九月の旧名は「長月」と言います。これは秋の夜長は長いことから「夜長月」が変化したという説が有力ですが、ちゃんと異説もあります。秋になると雨が多くなっており、長雨(ながめ)という物忌みの月でもありました。そこから「長雨月」が変化した説が出てきます。また、稲を刈る月でもありますから「稲刈(いなかり)月」が変化したというかなり苦しい説もあります。別名ですがこの境目あたりが名月なんですね。月関係で八月とだぶって「月見月」というのがあります。また名月に歌を読むので「詠月」、かぐや姫が由来でしょうか「竹酔月」なんてのもあります。紅葉関係で「紅葉月」「色取月」「朽月」「玄月」。夜が長くなるので「寝覚月」。それから菊の花の季節なので「菊月」「菊間月」。稲刈りも終わって「祝月」「小田刈月」。例によってわけわからない系で「建戌月」がいますよ。あとは「青女月」なんてのもあります。なぜ女が青いのでしょう。十月の旧名は「神無月」と言います。語源は有名ですね。収穫が終わり、国中の神々が来年の男女縁結びの相談をするために出雲の国に集まってしまいます。そのために出雲以外では神様がいなくなるので「神無月」。逆に出雲は神様だらけになるので「神在月」。実はこの説は現在は主流ではありません。新穀を神に捧げることから「神嘗(かんなめ)月」「神祭月」が変化したという説が主流です。それ以外にも異説では神に感謝することから「神の月」変化説、雷が滅多に鳴らない「雷無月」起源説、酒を造るから「醸成(かもなし)月」変化説、特殊なところだとイザナギノミコトの命日由来説なんてのもあります。別名では「神去月」、祭り関係で「鎮祭月」「鏡祭月」、気候がちょうど六月に似ているところから「小六月」時雨が降るので「時雨月」。わけわからない系ですと互いに矛盾する「陽月」「正陰月」とか例によって「建亥月」。「良月」に「大月」「吉月」「坤月」なんてのがあります。
今回の長いシリーズもやっと明日で終わりそうです。


 

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