2001/04/20
会社の建前の話
新入社員の方はまだ研修中だと思います。研修が終われば実際に業務に配属されると思いますが、例えばネットワークに障害が発生しましたが対応できるのが自分しかいません。このままだと会社全体が困ります、という状況。例えば顧客からクレームが来て、どうも障害のようですが担当者が不在です。でも自分なら解決できる、もしくは担当者が来るまでにクレーム要件の再現や現象の整理くらいは行える、という状況。そんな状況があったとき、あなたならどうしますか?
ここで自分がやってしまう、という人は私と同じように出世への道を諦めた人です。こういう人間は会社には不要なのです。なぜなら、たとえそのような緊急を要するような条件であっても事前にそのような緊急事態が発生するかも知れないので対応するように申し渡されていない状況で勝手に行動したり、各方面に根回しも済んでいないのに勝手に行動したり、たとえその場に上司がいなくても、上司の許可を得ずに勝手に行動したりするのは組織の規律に反するからです。この場合、担当者が戻ってくるか上司の許可を得てからでないと対応してはいけません。もちろん、緊急事態というのはそういった事前の根回しだの許可だのというのが取れないから緊急事態なのですが、そんなことは関係ありません。対応するとどうなるかというと社内からクレームがつきます。査定から引かれます。これは、「縦割り社会をなくす」とか「風通しが良くスピードの速い企業体質」などという建前をうたっている会社であっても、いえむしろそういう建前をうたっている会社ほどそうです。しょせんはそんなのは建前なのですから。会社において出世を目指すなら、責任を回避すること、目立たないことが重要です。自分ができてもやらない、言われなければやらない、それでもやらなければならない場合はできるだけ根回しをする。そういうことができない人は出世を諦めましょう。
私は自分の精神衛生上、トラブルを回避できるのに無視することができません。そのため出世は諦めました。


 

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