2001/02/19
トンの話
そもそもの疑問は「トン」という単位がどこから湧いて出たのか、です。一般に数量系というのはラテン語をベースにしていて、1ならモノ、2ならバイ、3ならトリという具合に決まっています。例えば1000単位で言うとミリオン、ビリオン、テリオンという具合です。ですからトンは3番目と考えたのですが、これが間違いの始まり。トンに関する明確な記述がどこにもありません。ただ、もしかすると、という推測だけはなんとか見つかりました。
それは船の積載量の単位、トンです。船の積載量であるトン、という単位は体積を表わす単位で、排水量のように英トン(1016.1kg)や仏トン(いわゆる我々のよく知っているメートルトン)とも関係ありませんし、おまけに米トン(907.2kg)でもありません。ここまで書いて説明し忘れましたが重量トンってすでにこの時点でかなりやばいんですが今言った三種類があります。これはイギリスやアメリカがポンドを用いているためで、それぞれ2240ポンドと2000ポンドに相当します。で、積載量のトンですが、これは昔、船に課税する際に酒樽が何樽載るかというところに語源があります。税金を調べるために調査官が船に乗り込むと、酒樽を手で叩きながらその数を数えていきました。そのときにトントンと音がするからトンになったという嘘のような本当の話。このときに用いられた酒樽の大きさはわかっています。約40フィートです。メートル法に直すと1.13立方メートルくらいになります。1立方メートルの水の重さは1000kg。なるほど!と思った人、まだまだ甘いです。もう少し細かく計算しましょう。さすがに酒樽を持ったことはありませんが、酒樽は水よりも軽い木でできていますし、ラム酒はもちろん水よりも比重が重いですが一杯まで入れることはできませんでしたから、重量としてはせいぜい8掛けくらいになるはずです。つまり実質900.kg程度だったのではないかと想像されます。これでやっと米トンというのはラム酒一樽の重さから来て、メートル法で一番近い1000kgが1トンになったのではないか、という推測が成り立ちます。
残念ながら、私のこの仮説には証拠がありません。誰か本当の語源を知りませんか?


 

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