2001/01/30
モデムはISDNより速い?の話
どこだか忘れましたが、どこかで56Kモデムの実速度はISDNの64Kを上回ると書いているところがありました。モデムにはV42bisと呼ばれるデータ圧縮技術があり、このために実際の速度の三倍程度の速度でデータが転送できるという話でした。これは大きな勘違いというものです。
まずはv42bisから。v42bisというのはITU-T勧告で定められた圧縮技術で、転送中のデータを圧縮するものです。サーバ−モデム−電話回線−モデム−パソコンというモデルの場合、モデム−電話回線−モデム間のデータを圧縮し、サーバ−モデム及びモデム−パソコン間では解凍したデータを流します。ですからモデムが56Kの速度であってもパソコンとモデムの間の速度(端末固定速度)はもっと速い値、115Kなどにするのが普通です。このV42bisですが、そもそも圧縮率三倍という数字にはあまり根拠がありません。理論限界に挑戦したことはありませんが、例えば*という文字を二億個ほど並べたテキストをV42bisを用いてダウンロードしようとすると、三倍どころか十倍、百倍の速度で転送できます。この三倍という数字の根拠を私は以下のように推測します。このV42bisが普及した頃というのはモデムの速度は9Kから14Kに変わろうとする頃でした。当時の一般的な国産パソコンの端末固定速度の速度限界は38Kでした。そこで、9Kのモデムなら4倍、14Kのモデムなら2.7倍、間を取って3倍くらい。この圧縮技術はもともと圧縮されているデータに対しては効果を持ちませんから、jpegやZIPなどのデータを転送しても無効です。このことを踏まえてもう一度考えると、たしかにテキストの転送ならモデムはV42bisの力で数倍の速度で転送できます。しかし、画像データなどには一切圧縮がかかりません。まったく圧縮しなくても56Kモデムというのは一秒で全角文字を3600文字送れます。このテーブルトークですら一話あたり最大でも920文字しかありません。つまりもともと圧縮の効くようなデータなんか一秒程度で転送できてしまい、差なんか出ないのです。ですから、比較は圧縮前の速度で比較しなければなりません。
圧縮前の速度は64Kと56KでISDNが勝っています。このへん、ちゃんと理解しないと恥をさらしますよ。


 

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