2001/01/25
コンピュータウィルスの話2
昨日の続きです。コンピュータウィルスという言葉が作られてから2年後に、世界で初めての本格的なコンピュータウィルスの原形が作られました。そのソフトを作ったのはパキスタンのラホール市に住むブレイン兄弟です。
本来、このソフトは厳密にはコンピュータウィルスではありませんし、その目的で作られたものでもありませんでした。そのソフトは自分の作ったソフトを違法コピーされないため、違法コピーされたソフトの場合、メーカに連絡するようにという内容のメッセージを表示するというものでした(これもリサーチプロジェクトとして作られたブートセクタウィルスが始まりとする異説もあります。主にマッキントッシュ信者が信仰している説のようです)。しかし、その次の年にはこのブレイン兄弟のプログラムの持つ可能性が悪用され、リーハイウィルス(リーハイ大学で発見されたディスクを破壊するウィルス)などが猛威を奮います。そして翌年の9月13日。セキュリティに関係する人は屈辱の日と覚えているこの日に、ある商用BBSから全ての会員に通達が出されました。それが日本で初めてのウィルスの報告だったのです。その商用BBSにその前の月から意味不明な文字列が書かれたまま長時間放置されているのが見つかり、管理者は、ゲームのデータなどを仲間内で交換しているのだろうと気にしていませんでした。ですが、一般ユーザにとってわけのわからない書き込みをしたままにしておくというのもまずいので、その書き込みをした当事者に「一般の人に読めないものは書き込まないでください」という通知を出しました。ところがこのユーザはそんな書き込みをした覚えがないというのです。不審に思った管理者が調べると同様の書き込みをしたユーザが複数いることがわかり、彼等もまた自分が書いた覚えがないというのです。彼等からの情報をもとに調査を続けたところ、意外な事実がわかりました。そのユーザ達はバイナリメールをもらい不用意に実行したことがあり、そのときにウィルスに感染していたのです。
明日に続きます。


 

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