2001/01/24
コンピュータウィルスの話1
会社から緊急というタイトルのメールが来たので開いてみたところ、社内感染を防ぐためただちに最新のウィルスソフトをインストールしてください、とありました。おいおい、それを言うならワクチンソフトでしょう。
そもそも世界で最初にコンピュータウィルスを世の中に紹介したのはアメリカのコーン博士だそうで、論文の中にコンピュータウィルスという言葉を入れました(この年に発表されたギブスンの小説、ニューロマンサが初めてコンピュータウィルスを紹介したという異説もありますが、コンピュータウィルスという言葉を最初に使った論文でもあることからコーン博士というのが定説になっています)。今から17年前のことです。もともとのコンピュータウィルスのルーツはメモリ陣取りコンテストと呼ばれるもので、数人のプログラマが自作のプログラムをUNIXマシンに走らせて、誰が最も増殖し、最もメモリを確保できたかというしょうもない遊びだったそうです。実は私自身も大学時代に別の目的で作ったことがあります。私の大学には高速なマシンが数台しかなかったのですが、それはある研究室の独占状態でした。そこがもっとも大きな計算処理をしていたからなのですが、あるときそのマシンにリモートログインしてプロセスを見てみたところ、ブラウザが起動して、これがかなりのプロセスを奪っていました。そこで、こっそりとその部屋に覗きに行ったんです。なんと、学生がブラウザで18禁サイトに繋いでがんがんダウンロードしていたのです。そこで仲間と話し合って、ある計画を立てました。その高速マシンでブラウザが開かれたらメモリをがんがん食べる増殖プログラムを走らせてダウンロードできなくさせてしまおう、と。その計画は一週間でブラウザの駆逐に成功したのですが、その後もマシンが妙に重いんです。調べたところその増殖プログラムにメモリリークがあることが発見され、結局マシンのシャットダウンまでさせることになりました。馬鹿ですねぇ。
本格的なウィルスはコーン博士の論文から2年後に作られました。明日に続きます。


 

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