2000/12/23
高速回線の話2
昨日はユーザの急激な増加と速度の向上が現在の重い状態の原因となっていることを述べました。続きです。
各家庭に光ファイバを通して高速通信を実現するなどと馬鹿げたことを本気で語っている政治家もいるようですが、そんなことをすればユーザ数の増加にラインが追いつけず、確実に破綻します。線というのは流れる最大データ量が決まっています。現在、すでにその最大データ量に近いデータが流れているのにこれ以上ユーザのアクセス速度を上げても現実に得られる速度は、たしかに最高速度は上がるかも知れませんが平均速度はたいした違いはないでしょうし、線の太さが同じであれば今まではキャパシティ的に余裕のあった線まで満杯になり、いわゆるコリジョンを引き起こしやすくします。結局、ADSLなどで高速化すればするほど、他を圧迫し、圧迫された側も同じく高速化すれば結局、高速通信能力のある端末を持っていれば低速で、そうでなければ繋がらない状態に陥ります。まるで核兵器による抑止力のような状態に陥ります。この状況でまず考えられるのは自分が例えば10メガの速度で繋がる端末を買ったのにたった数キロの速度しか出ないユーザがクレームを起こすこと。それによってプロバイダは高速な線に対する投資をしなければならなくなり、その投資は通信代としてユーザに押し付けられます。つまり、今は早くなったと喜べるかも知れませんが、最終的には個人が支払う機器の代金や通信料が高くなった挙げ句に速度は以前よりも遅くなる、という終末にたどり着くでしょう。高速化したい人はどんどん高速化してどんどん自分達の首を絞めてください。破綻が見えたときになって慌てて右往左往してください。自分達の行ったことが自分達に返ってくる、つまり因果応報を受けてください。そこまでいかなければ気づかないでしょうから。
・・・決して128Kでしか繋げない上に一月三万もかかるOCNエコノミーユーザのひがみではありません。本当だってばぁ・・・。


 

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