2000/11/05
オープンソースの話1
オープンソース、オープンソースと流行り言葉のように唱えられていますが、その実態はなんなんでしょうか。プログラムのソースが公開されていること?違います。それはソースオープンもしくはオープンドソースであり、オープンソースとはなりません。オープンソースには現在のコンピュータ事情における問題点や理想的な概念が存在しており、それをただ単にわかりやすく書いたのがオープンソースという言葉なのです。本来、オープンソースというのはある目的に対する過程、もしくは方法論に過ぎません。説明します。
まず、近年のコンピュータ事情から説明します。この数年で業界は急成長し、新しい規格、新しい機器がそれこそ毎日のように大量に出回り、出回った機器に対して一つ一つプログラムを起こさなければならないという事実が存在しています。例えばあるメーカのプリンタ一つ取ってもその機種ごとにプログラムを書かなければなりませんでした。もちろんソースレベルでは流用できるのは確かですが、その再利用性は極めて低いのです。本来、この再利用性を高めるためにオブジェクト指向方法論というものからオブジェクト指向言語に移行したのですが、残念ながらハードウェアに関しては用意されているツールが極めて低く、いわゆるDDK(ドライバデザインキット)で使用できるのは構造化言語だけです。このような状態ではせっかく新しい製品を作成してもその製品に使用するソフトウェアが足を引っ張って、発表が遅くなったり製品自体が公開できなくなったりしてしまいます。結局そのために開発しやすい従来の技術に固執するメーカが誕生し、ハードウェア的に革新的な進歩ができず、おまけに慢性的な「優秀な」プログラマ不足がこの事情にダメージを与え、さらにそれをのせるベースとなるOSがころころと仕様を変え、互換性を破壊します。業界全体に沈滞ムードが漂っていたのです。
では、この現状を打開するためにはどうすればいいのでしょうか。新しい規格に対して対応し、かつそれを素早くリリースするための手段はないのでしょうか。明日に続きます。


 

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