2000/10/28
吸気と排気の話2
昨日の続きです。昨日は実は吸気ファンのほうが排気ファンより効率がいいという話と、にも関わらず最近のPCケースはもっぱら排気ファンになっているという話をしました。
これには別の要素が絡んでいるのではないかと私は推測しています。例えばパソコンが動かなくなったらあなたはどうするでしょうか。とりあえず蓋を開けて中を見ると思います。場合によってはそのまま電源を入れることもあるでしょう。このとき、ファンが吸気ファンだったらどうなるでしょうか。吸気ファンの吸気力というのは密閉された空間であれば非常に高いのですが、オープンな空間に置かれるとその効果は激減します。よって蓋を開けた状態では吸気ファンの能力は極端に低下します。ただでさえエラーが起こっているような状態のマシンで冷却を取り外せばさらなるダメージを受けることはおわかり頂けると思います。このような無用なトラブルを抑えるためにメーカは多少効率が悪くても排気ファンを取り付けるようになったのではないでしょうか。これ以外にも、PCケース内の発熱物が多くなりすぎたというのも理由の一つとして考えられます。このような場合、PCケース内の温度とPCケース外の温度に大きな差が出ます。PCケース内の温度がPCケース外の温度よりも遥かに高いのであれば、直接冷たい外気を取り込んでぶつけたほうが、PCケース内の既に暖かくなっている空気をぶつけるよりも局地的な冷却効果は得られるのです。ただし、このような場合であっても全体的な温度低下は排気のほうが優れているのは言うまでもありません。また、電源が(PCケースから見て)吸気ファンだということも理由の一つかも知れません。双方から吸気しても確かにある程度の効果はあるのですが吸気ファンと排気ファンを合わせて使うことにより整流作用を高めていることが考えられます。
結局、冷却対象が近くにあるとか吸気先が密閉されているCPUのような場合は排気ファンを、そうでないなら吸気ファンを取り付けるのがよろしいようです。ではPCケースには何をつけるかって?そりゃもちろん上に書いたとおり場合によります。つまりケースバイケースですよ。どっとはらい。


 

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