2000/10/24
デジカメ画質の話3
昨日は高い解像度を出すためには、狭い範囲をどのくらいのピクセルで再現できるかで決まると書きました。続きです。
拡大率が高く、かつ接写距離が小さく、かつ最大ピクセル数が大きければ狭い範囲を大きなピクセル数で表わすことができますから解像度が高くなります。しかしこの拡大率というのは厄介な代物で、例えば10倍ズームを持つデジカメで写真を撮ろうとすると恐らくピンボケの写真になると思います。これは手ぶれを起こすからです。等倍で腕がずれたときと比べて10倍ズームではその10倍のずれが生じるからです。やみくもに拡大率の高いデジカメを使っても意味がないのです。これを防ぐためにはシャッター速度というのが小さい(光を焼き付けるまでの時間が短い、つまりぶれにくい)必要があるのですが、これは横並びというのが現状です。三脚などで固定しないのであれば実用的な倍率は3倍がいいところだと思います。接写距離も同様です。接写距離が短くなればちょっとしたぶれが拡大されて大きなぶれとなります。おまけに、この解像度というのはたしかに画質を表わす一つの要素ですが画質を表わすためには、もう一つ重要なパラメータがあります。それが色の再現性です。色の再現性というのは人間が目で見たときに感じるのと同じようにディスプレイなどで色を表示できるかということです。現在の補色フィルタによるデジカメ画像は色の再現性を無視しています。これは解像度の高さが画質を決めていると思っている大部分のユーザのために行っていることです。これに騙されてはいけません。色の再現性を抜きにして画質を語ることはできないのです。では、色の再現性はどうやって求めればいいのでしょうか。なんらかの定量的な数式が存在するのでしょうか。実はありません。これが存在しないために、まったく同じ接写距離、まったく同じ補色フィルタ、まったく同じ拡大率を持つデジカメでもまったく再現性が違うのです。この色の再現性が高いか低いかは何が大きな要素になるのでしょうか。
明日に続きます。


 

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