2000/09/10
私的マスタ列伝1
ちょっとテーブルトークの原点に戻って。テーブルトークRPG(以後TRPG)の話でもしましょうか。私がTRPGで知り合ったマスターは「真実の語りべ」S氏を筆頭に個性的な人が多かったような気がします。彼等がどんなマスタだったのかを語ってみようと思います。まずは、手前味噌ですが私、てんてんのマスタリングを説明します。そのほうが相対評価がやりやすいので。
まだTRPGがブームになる前、マスタの絶対数が少なかったころ、私は一つのサークルに属さず、流れのマスタをしていました。ほとんどのプレイヤが初見ですから、何をするのかまったく読めません。この状況で下手にシナリオを書くとそのシナリオにはめ込もうとかなり強引なマスタリングをすることになり、結果としてプレイヤには選択肢が非常に少なかった印象を与えます。当時のTRPGはただでさえ「経験値を稼いでレベルアップするゲーム」という印象が強かったので、「自由に行動できる」ということの楽しさを知ってもらうためにはこのスタイルでは駄目だったのです。そこで私が最初にしたことは100本のシナリオを作ることでした。100本のシナリオを作り、そのシナリオのどれをプレイするかはプレイヤの行動に従って自由に変化するということをしたのです。ですからシナリオはひたすら引き、引き、引き、で伏線となりそうなものをがんがん出して、それに対するプレイヤの反応がシナリオを決め、解決しなかった伏線はその後機会があれば解決しますし、そうでなければ永遠に謎のまま、ということになります。このスタイルが後々まで尾を引いて、私はフルアドリブ以外でのマスタリングができなくなる、つまり競技プレイ(同じシナリオを複数のマスタが同時に行って結果を採点するゲーム)などまったくできなくなってしまったのです。だって競技シナリオなのに全然違うシナリオになってるんですから(おかげで点数は最下位ですが、プレイヤ評価は最高でした)。
このマスタリングスタイルですと、プレイヤの人数は5人が限界です。これを越えるともはやマスタリングになりません。また、規定の行動しかできないプレイヤには不評でした。


 

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